HOME小川乃湯物語五木湯について
天然の薬湯
五木湯とは?
五木湯(ごもくゆ)とは、江戸時代に当館で焚いていた、旅人のための薬湯です。
五木とは、梅・桃・柳・桑・杉(梅と杉の代わりにえんじゅ・梶を入れることもある)のことだが、特に決めずにその季節のものを湯に投じて薬湯する。

春…松 桃 うど(根茎) おおばこ ヨモギ 山椒(老葉) 桜 柳

杉 桑 菖蒲 しょうが どくだみ 薄荷 肉桂(葉) スイカズラ
    げんのしょうこ 枇杷(葉) シソ 枹杞

からたち 蓮 蕎麦粉 菊

柚子 みかん 大根葉                  (江戸風呂事情〜入浴編より)


五木八草湯とは?
五木八草湯とは、室町時代から使われていた薬湯。
五木八草の五木とは、浴用効果のあるとされる柳・えんじゅ・桃・桑などの樹木を組み合わせます。組み合わせはいくつもパターンがあります。
また、五木八草の八草は、菖蒲・ヨモギ・おおばこ・蓮の葉・オナモミ・スイカズラ・クマツヅラ・ハコベのことをいいます。
(大海淳「薬湯」より)
5ヶ月3200キロの旅
五木湯と小川乃湯
田辺聖子先生著「姥ざかり花の旅笠」に登場する「東路日記」。その中の小田宅子さんご一行が、江戸時代(1840年)に泊まった一軒宿。それが当館「小川乃湯」だといわれています。

田辺聖子先生著「姥ざかり花の旅笠」より

 宅子さんが「足つまずくな岩むらの道」と詠んだ険路は、これこそ有名な難所、小川峠であった。
 その前日は湯沢村につき、日が高いけども泊めてくれるところに泊まった。明日の難所にそなえてのことであろう。ここで宅子さんの記述に不思議な一行。

「この家の庭のわたりに五木湯といふ物を作りて旅人にほどこすなり。
 所がらにては、いたう嬉しうなん」


 この五木湯は風呂のことであろう。本来、五木といえば、梅、桃、柳、桑、杉をさす(梅と杉の代わりにえんじゅ、梶を入れることもある)。その葉や木肌は体によいというので、湯に投じて薬湯とする。杉の香りが漂い、いかにも山中らしいもてなし、「所がらにては、いたう嬉しうなん」と宅子さんが書くのも尤もであろう。

姥ざかり花の旅笠 姥ざかり花の旅笠
集英社文庫

俳優、高倉健さんの先祖、小田宅子さんご一行が、伊勢参りに旅立つ。伊勢までのはずが善光寺、日光、江戸と足をのばし、5ヶ月3200キロの旅の日記を田辺聖子さんが解釈。一緒に長旅を楽しめる。